以前から気になっていたことなんですが、思い出したので記事にします。
質屋という仕事をしていますと、様々なジュエリーと出会います。
限りなく新品に近いものから、相当使っていただいたものまで状態は様々。
そのなかで一番多いのが「汚れたままで放置されていたもの」です。
当店で査定を依頼されたお客様で「正確な査定ができないので洗浄させて
いただいてもよろしいですか?」と声を掛けられた人は少なくないはずです。
汚れていると本来持っている輝きを発揮してくれないばかりでなく、査定の
段階で正確な色目などが分からないなど価格を下げる結果となります。
酷い場合は「汚れているダイヤ=査定0円という店がある」と、お客様より
聞いたことがあります...拝見したのは1カラットもあろうかというダイヤネックレス...。
それを鵜呑みにして売ってしまったとしたら、本当にもったいないことですよね!?
当然、買い取る側の意識に問題はあると思いますが、日頃から手入れを
習慣付けることで、その様な事例の予防にもなりますし、我々のように洗浄を
させていただく店は、少しばかり手間が減って嬉しいかなぁ~なんて(^^;
「じゃぁ、どうしたらいいねん」ということについて、今日は噛み砕いて
出来るだけ簡単にまとめていきたいと思います。
■ジュエリーの保管方法
皆さんは様々なデザイン・宝石を使った製品をお持ちのことと思いますが
保管はどうされていますか???大型の宝石箱にガサッと混ぜて入れたり
していないでしょうか???もしそうされているなら間違ってますよ!
正解は別々に分けて保管することです。
特に注意が必要なのはダイヤモンド。10段階の硬度で最強といわれるのが
ダイヤモンド。その硬さは工業用のカッターなどに使われることでも有名です。
これが他の宝石に当たったら...。答えは簡単!欠けさせたり傷を付けます。
例えば硬度が9のコランダム(ルビー・サファイヤ)が硬度8のエメラルドに
接触した時も同じです。硬度について書き出すとキリがないので、まずは
全てを分けて保存すること...というのが一番分かりやすいと思います。
同じケースに入れる時には、最低でも写真のようにナイロンで分けることを
オススメいたします。宝石は財産です。粗末な扱いによって大きく値打ちを
下げないように心掛けましょう。
■ジュエリーのお手入れ
お手入れについても硬度や材質が関わってくる宝石があるので簡潔に。
ダイヤモンド・コランダム(ルビー・サファイア)・アレキサンドライトは
中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけて歯ブラシなどで優しく掃除します。
特にダイヤモンドは油に馴染みやすい特性を持っており、ハンドクリームや
化粧品の油分が付着しやすいので入念に。表面を綺麗にしても、裏面に
汚れが残っていると本来の輝きは出ないのでご注意を!
上記以外については、超音波洗浄をしてはいけないもの。水に浸けると
いけないもの。硬度の低さからホコリが付着した状態で吹き上げては
いけないものなど、これまた話せば長くなりますので...とにかく付着した
ホコリを吹き飛ばし、柔らかい布で優しく拭き上げてやってください。
専用のクリーナークロスを使うのがベストですが、そのへんは個々の
判断でお願いしたいと思います。とにかく慎重に!
身近なもので手入れを怠りがちなものは真珠。
これは正しい用法で手入れをしないと、どんなに巻きの良い高級品でも
確実に劣化していきます。そのお手入れ方法について簡単に...。
真珠もまた水に浸けてはならない宝石とされています。「生きている宝石」と
表現されるのは、非常に繊細でデリケートだからなんですね。
汗や酸に弱いのは有名ですが、香水・オーデコロンやヘアスプレーなどにも
弱いので身につける際には、それらが乾いてから!使い終わったら
必ず柔らかい布(専用クロスを推奨します)で優しく拭き上げてください。
保管においては強い紫外線、高温高湿度な場所は避けることです。
またネックレスの場合、大抵が糸を使って繋いでいます。中にはワイヤーを
使っているものもあるのですが、少しでも隙間が出来てきたなぁ~と思ったら
それは「切れそうです!」というサインです。見逃さないように(^^
可能な限り、初心者のかたにも分かるように書いてみましたが、保管やお手入れを
なさるのはお客様ご自身です。個々の責任において慎重に行ってください。
分からないことがある場合には、積極的にショップや詳しい人に聞きましょう!